監督便り

監督便り Vol.17 2023 November

一気に寒さが増して参りました。学生たちはトラックシーズンを早々に終わらせ冬季練習に向け準備を始めました。
10月末のALL慶應より世代交代を行い、豊田兼(環3、桐朋)主将率いる 107代目の新チームがスタートしました。チームのスローガンは「すゝめ -We Over Me-」。

彼ららしい想いの詰まったスローガンとなりました。これは「学問のすゝめ」から引用し、競走部や競技人生において自らの駒を泥臭く前に進めて行くという思いを込めています。加えてサブスローガンの 「We Over Me」は、チームは個人に勝るという思想の下、競走部が大事にする対校戦は個人競技の陸上がチームスポーツになる瞬間であり、この想いを持って日々練習に励み試合に臨んで参ります。

日吉グランドは先月10月中旬から来年3月下旬迄、15年振りに改修工事を行います。その間、学生達は練習場所を探し他大学や公共グランドでブロック集合となります。チームを熟成させる大事な冬季練習の間、全体集合が出来ない不自由さを、他大学への出稽古の良い機会と前向きに捉えられるかどうかに掛かっております。

冬季を3年生以下の新チームが切磋琢磨した後、これを更に活性させるのが、来年4月に入学する新一年生です。11月は指定校推薦、AO受験の合否も発表され、残念な結果もあったものの、将来有望な高校生の合格の吉報も御座いました。これは全国に在住の諸先輩方のサポートと現役学生の連携により、多くの有望な高校生が慶應義塾を目指した結果です。競走部の強化に勧誘が重要なのは御既承の通りです。皆さまの後輩や地元の進学校から一人でも多くの有望な高校生が入学出来る様、現役、OBOGが一体となる共同体制を充実させて参りますので、ご自分の母校、ご出身の都道府県と少しでもご協力頂ける様、宜しくお願い申し上げます。
監督、助監督も日本全国の高校、試合に参ります。そこで皆さまにお目に掛かり現役の現状をお話しする機会も持てればと思いますので、その節はどうぞ宜しくお願いします。

107代目は個々が強い代と言われてきました。然し乍、この冬季の出稽古の間、個々が刺激し合いチームとして強くなる為に成長して参ります。OBOG、関係者の皆さんには1年間の彼らの成長を見守って頂き、ご支援ご声援の程、宜しくお願いします。

この新チームがどう活躍していくか今から楽しみです。引き続き宜しくお願いします。

競走部監督
鹿又 理

監督便り Vol.16 2023 October

秋も深まって参りました。秋のシーズン真っ盛りの10月は多くの試合が御座いましたが、悲喜交々を感じた月でした。

先ずは10月1日の男子第72回・女子第14回、同志社戦。戦前予想は男子13点差、女子も僅差と敗戦ムードでアウェーの京都に参りました。
男子対校戦は最初のレースである5000mを1年生の成沢翔英(環1、山梨学院)が優勝し波に乗りましたが、人数の少ない投擲と跳躍で苦戦し、戦前予想は0−6の1500mがリレーの前の最終種目、しかも4−2以上で勝ち越さなければリレーの前に同志社勝利が確定する中、吉田航太郎(経1、慶應志木)と井上丈瑠(経2、長岡)が下馬評を覆し1位、2位の5−1で勝ち越し、最終種目のリレーで引離し、34−29で勝利致しました。
女子対校戦は副将の岩屋佑未奈(経4、慶應女子)が、怪我をおして出場し、100m、100mH、4x100mRの三冠で大会MVPの大活躍に加え、他種目でも同志社を圧倒、25−14で勝利し2年連続で男女共に勝利致しました。常に高い目標を掲げてきた4年生としては最後の対校戦で勝利を飾る事が出来ました。

同日、400mHの記録を狙う為、同志社戦を欠場し新潟で行われたグランプリに出場した豊田兼(環3、桐朋)が日本歴代6位の48“47の今季日本最高記録をマークし来年のパリ五輪の標準記録を突破しました。来年、現役で五輪に出場すれば2012年ロンドン五輪の山縣亮太(2015卒、修道)以来となり、大いに期待が掛かるところです。

10月8日には日本選手権リレーの男子4x100mRで83年振りの日本一に返り咲きました。廣木亮太(理4、浦和)-三輪颯太(環3、西部文理)-篠宮健吾(政3、慶應義塾)-豊田兼と繋ぎ、38“96の塾新で優勝、日本インカレの雪辱を果たしました。部員達が先輩方の築かれた歴史を感じ乍、これからも一つづつ塗り替えていければと思います。

10月14日は第100回箱根駅伝の予選会が立川昭和記念公園で開催され、我がチームは22位という結果に終わりました。監督となり1年強、箱根を意識して臨んだ予選会でしたが、正直「箱根は手強い」と感じた試合でした。過去3年間の順位は19位→26位→22位と振るわないと思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、木村有希(総3、葵)は24位、田島公太郎長距離ブロック長(環3、九州学院)は45位、出走12名の内11名がPBと本番での結果も出せて参りました。やっと他大学と勝負が出来る状態になりましたが、今回は我々以上に他大学も実力を上げたというのが現状です。
予選会通過校は上から、大東、明治、帝京、日体、日大、立教、神奈川、国士舘、中央学院、東海、東農、駿河台、山梨学院。箱根に力を入れている大学であるのは当然で、留学生を起用する大学は17校、推薦入学も資金も無いのは事実でありますが、それは皆様が知っている事であり、それを乗り越えるから意味がある。慶應義塾が学生スポーツの最後の砦としての想いを持って続けて参りたいと思います。

10月21、22日はAll Keio Track&Field Festival が日吉の全面改修工事の都合で等々力競技場で開催されます。「強者であれ」を常に部員に示してきた伊藤達也主将(商3、帝京大学)ら106代目最後の試合であり、是非、皆様にグランドにお越し頂き、最後の勇姿に声援を頂ければと思います。

競走部監督
鹿又 理

監督便り Vol.15 2023 September

残暑厳しい日が続きますが、皆様如何お過ごしでしょうか。
学生達は秋のシーズンに向け、夏合宿を過ごし大事な試合に準備しております。

私も昨年同様、長距離の菅平合宿に応援に行きました。9月の菅平はラグビーでなく陸上長距離のメッカであり多くの学生が10月14日の箱根駅伝予選会、並びに1月2日の本戦に向け練習を積んでおりました。OBOGの皆様とクラウドファンディングのお陰で3回の合宿を迎え、我が競走部も昨年より怪我人も少なく良い状態で練習に臨んでおりました。実際にポイント練習を見ましたが、随分と迫力が出てきたというのが印象的でした。昨年よりも良い結果が出る事を信じ、当日を迎えたいと思います。

ロードだけでなく、Track & Fieldも負けておりません。9月14日より熊谷にて第92回日本インカレが開催されました。今回は男子30点、女子15点を目標に熊谷に臨みました。結果的に男子14位、17.5点、女子0点という結果であり、昨年の男子13点、女子6点に比べ、数字上はそこまで上がらず、女子は無得点でした。然し乍、数字以上に去年より遥に将来を感じさせる結果でした。これは「強者であれ」をスローガンに抱えた伊藤達也(商4、帝京大学)主将ら4年生のチーム作りの結果です。高い目標を置きそれに向かいチームを鼓舞した結果と言えます。
本インカレでは男子100mで三輪颯太(環3、西武文理)が10“37で4位、400mRで5位、200mも準決勝まで進出しました。昨年は100mと400mRに出場し、怪我で最後まで走れませんでしたが、今年は100m、400mRと大車輪の活躍でした。200m準決勝は7本目のレースでしたが、8本目まで走り切るのは今年の冬の課題となります。
400mRは新メンバーの中島叶雅(商1、慶應)ー三輪颯太ー廣木亮太(理4、浦和)ー豊田兼(環3、桐朋)と繋ぎ、39“00と塾新の全体2位で予選を通過し、決勝での活躍を大いに期待させました。決勝は39“13で5位に終わり、バトンの精度を上げたチームが優勝するのを再認識させられたレースでした。10月の日本選手権リレーでの活躍をご期待下さい。
伊藤達也主将は80m越えの関東インカレ優勝者も予選落ちする混戦模様の中、去年の予選落ちの無念を晴らすべく決勝に進出、68m40で8位入賞となりました。記録も大事ですが、インカレや対校戦は順位に拘らねばならず主将としての大役を果たしました。
豊田兼は昨年400m、400mHと3位、2位でしたが、今年は400mHで予選(49”51)、準決勝(49“09)、決勝(48“91)と3回連続自身の持つ塾新を更新し優勝を飾りました。記録と勝負と夫々大きく成長しましたが、更に上を目指せる可能性を感じたレースでした。
男子に比べ女子は厳しい結果でしたが、1年間怪我に泣き、多くの4年生が活躍した関東インカレでも苦しんだ、副将の岩屋佑未奈(経4、慶應女子)が女子100mで準決勝に進出した事は特筆すべき内容でした。
勿論、男女共に満足出来るものではなく、特に400mRを除くリレー種目に出場出来なかった事は今後の課題であり、部員全員が男女両リレーに出場し活躍するKマークが観たいと感じた事であり、チームの底上げの必要性を感じました。春の関東インカレで大活躍した4年生は特に悔しい思いをしましたが、この悔しさを伝える事で、男子30点、女子15点の目標を来年は達成してくれる事と期待しています。これは残り僅かな4年生の仕事です。

来月10月は1日に同志社戦(京都府 城山)、14日に箱根駅伝予選会(陸上自衛隊立川駐屯地)、21、22日にALL慶應(川崎市 等々力)とOBOGの皆様にもお越し頂き現役に声援を送って頂ける試合とイベントが御座います。4年生は引退となるALL慶應ですが、一年間結果を出しつつ牽引してきた面々をどうぞ声援と拍手で送り出して頂ければと思います。

秋のシーズン、OBOGの皆様のご声援を頂き乍、選手達が活躍する姿を是非、現地でご観戦下さい。

競走部監督
鹿又 理

監督便り Vol.14 2023 August

今年の夏も猛暑が続いておりますが、如何お過ごしでしょうか。

箱根駅伝プロジェクトの第二回クラウドファンディングが7月末に終了し、競走部内外の509名の多くの方々から1,001,300円ものご寄付を頂き、誠に有難う御座いました。この頂いたご寄付は夏合宿費用等に大事に使わせて頂きます。今回のクラウドファンディングは学生が必要と感じ、学生が中心となり企画立案して始めました。この結果、昨年より多くの方々からより多くのご寄付を頂く事が出来ました。

クラウドファンディングを依頼し進める事、そして結果を出す事で、今やらなければならない事を知ったと思います。それはクラウドファンディングの第二目標を達成する事ではなく、予選会を突破する事です。厳しい夏合宿を経て、10月14日の昭和記念公園の箱根駅伝予選会に臨みます。

学生たちは真夏の練習と試合で鍛え上げ、9月14日からの熊谷での日本インカレに向け準備しております。夏合宿での学生への差し入れもAmazon経由で頂き、学生達も大変助かっており感謝しております。改めて御礼申し上げます。

早慶戦、日本インカレの前哨戦として海外遠征に出場した、倉田紗優加(環1、伊那北)がU20フランス選手権(7月14日〜、パリ)の女子槍投げに出場、Open種目乍、50m57cmで初の海外試合で優勝しました。慣れない海外で調子が悪くても50m越えの実力が付いて参りました。倉田はトワイライト・ゲームス、実業団学生対抗でも優勝し、今季は関東インカレの準優勝と日本選手権7位以外は対学生では負け無しの勝負強さを誇っております。

豊田兼(環3、桐朋)がユニバーシティゲームス(7月28日〜、中国、成都)の男子110mHに出場、初の海外試合で優勝しました。予選で13“29の日本歴代6位、来年の五輪標準迄、あと0.02に迫り、日本代表として活躍する日が近づいて参りました。

国内の各試合でも廣木亮太副将(理4、浦和)が7月のトワイライト・ゲームスで男子100mにて10“33のPB(塾歴代6位)、篠宮健吾(政3、慶應)が8月のSANOスプリントで10“41のPB(塾歴代7位)と実力を上げて来ており、10秒31(塾歴代3位)のPBを持つ三輪颯太(環3、西武文理)と例年にないメンバーで日本インカレの個人での決勝、及び4×100mRで昨年の9位だった雪辱を晴らします。

個々の実力がついてくる中、臨んだ男子第99回、女子第2回の早慶戦は日吉に早稲田を迎え、男子は二連覇、女子は初優勝を目指しましたが、残念乍、男子は25対32、女子は14−25と男女共に勝利とはなりませんでした。その中で、今後の期待という点で、男子100mで篠宮健吾と廣木亮太が2位、3位と優勝争いに絡み、女子800mでは仲子綾乃(環3、浜松西)が競り勝ち、意地を見せました。男子走高跳の須崎遥也(商1、丸亀)は大会記録の2m10cmを上回る2m15cmのPB迄上げ、失敗に終わりましたが果敢な挑戦でした。

入賞には届きませんでしたが男子400mの横井健道(法2、城北)と奥泰貴(商3、湘南藤沢)は夫々PBを大幅更新し、次のレベルに上がる兆しが見えて参りました。

4x200mRは廣木ー三輪ー篠宮ー岡村で臨み、2015年の小池ー永田ー和田ー山田の塾記録1‘23“31に迫る塾歴代2位の1’23”41と勝利こそ逃しましたが、9月の日本インカレの4x100mRに繋がる結果となりました。

早慶戦を振り返り、選手層の薄さを改めて痛感致しました。豊田兼ら主力が世界大会などの影響で出場出来ない際の次の選手が居ない事、男女共に出場枠迄、選手が居ない種目がある事、等々、来年の100回大会に向け選手の実力向上並びに、選手の補強の重要さを再認識しました。

8月3日から北海道インターハイに勧誘に参りましたが、全国の進学校も出場しておりました。改めて全国のOBOGの皆様にご協力頂き、母校の後輩や地元の高校生に声掛けし、慶應義塾を志望して頂ければと思いました。現在、東海地区、近畿地区は組織立って現役とOBOGで連携して勧誘活動を行なっております。然し乍、他の地区では一部のOBOGの方にお手伝いはして頂いておりますが、組織立っての行動は出来ておりません。OBOGの皆様に現役学生と連携して頂き、より多くの文武両道を目指す高校生に、慶應義塾を志望して貰う様、ご協力の程、宜しくお願いします。

早慶戦の雪辱を晴らすべく、9月のインカレに向け日々練習を積んでおりますので、引き続きご声援の程、宜しくお願い申し上げます。

競走部監督
鹿又 理

監督便り Vol.13 2023 July

夏らしくなって参りましたが、如何お過ごしでしょうか。

早慶戦(8月13日、日吉)、日本インカレ(9月14−17日、熊谷)、箱根駅伝予選会(10月14日、昭和記念公園)に向け、学生達は日々練習に励み、各人が記録会と試合に臨んでおります。

6月25日の布勢スプリントでは今季好調の三輪颯太(環3、西部文理)が男子100mで10“31のPBを更新、日本インカレでの決勝を狙います。

7月1日の実業団学生対抗は学生代表として豊田兼(環3、桐朋)と仲子綾乃(環3、浜松西)の2名が選出され、男子110mHで3位(学生では1位)、女子800mで8位という結果となりました。来年はより多くの選手が学生代表に選出されるチームにしていきたいと思います。

海外遠征では、倉田紗優加(環1、伊那北)がU20フランス選手権(7月14日〜、パリ)に女子槍投げ、豊田兼はユニバーシティ大会(7月28日〜、中国、成都)に男子110mHで夫々選出されました。現役学生が国際大会に出場するのは誇らしい事、是非、活躍して貰いたいと思います。その豊田兼はユニバーシティ大会の前哨戦として7月9日に南部忠平記念の男子110mHに出場、13“48で優勝し、本番も楽しみになって参りました。

活躍という点では、将来のエースの発掘として高校生の勧誘を去年から積極的に進めており、今年は北信越、東北、南北関東、東海、近畿、中国、北九州と7つの地区大会に勧誘に行って参りました。昨年同様、地方在住のOBの皆さんにご協力頂き、150名強の高校生とその指導者の先生方に慶應義塾の魅力を知って頂こうと競走部のパンフレットを全国に手渡して来ました。こうした選手獲得という点で現役とOBOGが一体となって活躍している本活動は重点的に進めて参りたいと思いますので、どうぞ宜しくお願いします。

試合以外の準備と致しまして、6月末より箱根駅伝プロジェクトの一環としてクラウドファンディングを始めました。
今回は2回目となりますが、自分たちの夏の長期合宿の費用を捻出する為であり、学生主導の色合いが濃く現れ、長距離ブロックだけでなく競走部全体のプロジェクトとして位置付けられた結果、第一目標額720万円を達成致しました。皆様のご協力、誠に有難う御座いました。第二目標の950万円に向け7月17日の〆切まで再度の一押しを学生達は諦めずに臨んでおります。
お願いばかりで恐縮ですが、諸先輩方のご協力をどうぞ宜しくお願い申し上げます。
詳細は以下の通りです。
【募集ページ】 https://readyfor.jp/projects/keio_hakone2023

クラウドファンディングに先立ち、船橋や調布など各地域の三田会の会合に、坂本助監督、保科コーチ、そして現役学生が、箱根の魅力、厳しさ、そして競走部の話しをする為、講演に行っております。こうした草の根活動は競走部のファンを1人でも増やすのと同時に、現役学生がどれだけ多くの方々に支えられているのかを知る良い機会と捉え今後も続けて参ります。OBOGの皆さまの所属される三田会で講演する機会が御座いましたら是非、お声掛け下さい。

学生たちは7月下旬からのテスト期間が終了すれば、8月13日(日)の日吉での早慶戦(男子第99回、女子第2回)の最終調整に入ります。
男子は連覇、女子は初勝利に向け伊藤達也主将(商4、帝京大学)以下106代目の活躍をどうぞご期待下さい。

競走部監督
鹿又 理

監督便り Vol.12 2023 Jun

全国で梅雨入りしたとの事、日吉グランドは雨もありますが気温も上がらず練習し易い気候になっております。

先週末は公式戦も一段落し、一年生も入部した事もあり、日吉の教室で伊藤達也主将(商4、帝京大学)から、106代目のスローガンである「強者であれ」の話しをしました。105代のスローガン「陸の王者、再興」を引き継ぎ、更に強いチームを目指す為、選手、サポート、スタッフが同じ想いで高い目標を持って日々の練習に臨んで参ります。
6月の日本選手権も終了し、競走部としては各自、地元の県選手権等に出場しながらも夏の早慶戦(8月13日、日吉にて開催決定)や9月の日本インカレ(9月14−17日、熊谷)に向け、準備して参ります。

5月末から6月上旬に韓国で開催されたU20アジア選手権に男子走高跳に須崎遥也(商1、丸亀)が日本代表として出場致しました。結果は2m06cmで第5位と実力が発揮出来ず悔しい結果でしたが、同世代のアジアの選手と勝負した事で視野も広がり、将来はシニアの大会で順位を上げて貰いたいものです。

日本選手権では5名の選手が出場しました。大久保綺更(環4、富士)が女子棒高跳、三輪颯太(環3、西武文理)が男子200m、豊田兼(環3、桐朋)が男子400m、400mH、倉田紗優加(環1、伊那北)が女子槍投げ、野田大晴(経1、湘南藤沢)がU20 1500mに出場し、実力差を見せつけられ苦戦致しましたが、一年生乍、倉田が55m05cmで関東インカレに続き塾新を更新し7位入賞を果たしたのは評価に値する結果でした。
他にはOBの小池祐貴(2018卒、立命館慶祥)が男子100mで3位、アスリートコーチとして一緒に日吉で練習をしている寺田明日香(ジャパンクリエイト)が女子100m Hで同タイム乍、着差有りで優勝し、現役に対して勝ち切る姿勢を示してくれました。この2人には8月にブタペストで開催する世界陸上に選出される事を期待しております。

現役の活躍が4、5、6月と続きましたが、未来の現役部員の発掘の為、今週末の6月15日から各地で開催されます、インターハイの地区大会に監督、助監督、現役、OBOGが一体となり勧誘に参ります。今年は地域も広げ、東北(青森)、北信越(富山)、関東(山梨)、東海(静岡)、近畿(和歌山)、中国(岡山)、北九州(福岡)に参ります。
私は6月15、16日は福岡、17、18は岡山に参りますが、全国にいらっしゃるOBOGの皆様に少しでもご協力頂ければ今からでもお願いしたいですし、お時間あれば試合にお越し頂き、現役共々ご挨拶させて頂ければ幸甚です。

全国にいらっしゃる皆様に地区大会でお目に掛かれる事を楽しみにすると共に、現役学生が活躍出来る状況を維持して参りますので、引き続きご支援、ご声援の程、宜しくお願い申し上げます。

競走部監督
鹿又 理

ご寄付の振込先については、以下をご覧ください。
https://www.keio-tfob.org/wp-content/uploads/2023/04/transfer_destination.pdf

監督便り Vol.11 2023 May

伊藤達也主将(商4、帝京大学)率いる106代目の一番の目標である関東インカレが5月11日から4日間、相模原のギオンスタジアムで開催されました。雨も多い寒空の中、厳しいコンディションでしたが、入学以来一度も経験した事の無かった全体応援も復活し、大いに盛り上がった試合となりました。結果は目標としていた男女総合8位、男子50点、女子25点には届きませんでしたが、男子は12位、29点(200、400、槍投、走高跳、三段跳)、女子は14位、20点(800、棒高跳、槍投)と男女合わせて6個のメダル獲得と、昨今ではない数のメダルは評価に値すると思います。
内訳は男子12位、29点はトラック9位(13点)、フィールド7位(16点)。
女子14位、20点はトラック17位(5点)、フィールド8位(15点)となります。
男子総合の順位は7位国士館43点、8位日体大41.5点、9位法政38点、10位中央38点、11位山梨学院33点。
女子総合の順位は8位日女体29.5点、9位日大29点、10位駿河台29点、11位東女体28点、12位法政27点、13位国士館22点。

総合8位は叶わずとも部門別では8位以内となり、取り零し無く実力を発揮出来れば8位は可能性があったと思われます。
他校と比べると出場者の人数が少なく、来季以降の勧誘の必要性を痛感した次第です。
本年も監督、助監督、現役が一体となり各地区大会に参りますので、1人でも多くの有望選手の獲得及び、後輩の入学に向け、OBOGの皆様にもご協力頂ければ幸甚です。

今大会は、初日に主将の伊藤達也が槍投げで3位、副将の大久保綺更(環4、都立西)が女子棒高跳で3位、どちらも雨天で競技中断後に自己ベストを更新してのメダル獲得となりました。2日目は体調不良を推して出場した豊田兼(環3、桐朋)が400mで準優勝、3日目は、期待の大型新人、倉田紗優加(環1、伊那北)が女子槍投げで準優勝、最終日は三輪颯太(環3、西部文理)が200mで3位、武田翔太(法4、慶應)が走高跳で3位と合計6個のメダルを獲得致しました。
このように毎日、複数種目でメダルを獲得した事は雨で寒くなったスタンドで応援した学生を鼓舞したに違いありません。
メダル獲得者の陰には、4月の学生個人で3位の仲子綾乃(総3、浜松西)は女子800mで4位、大型新人の須崎遥也(商1、丸亀)は走高跳で6位、浦津ななの(環3年、中京大中京)は女子棒高跳で去年に続き7位、昨年3位の三浦和真(理工4、都小山台)が三段跳で8位と、決勝の舞台であと一歩上に届かなかった事。
男子400mRは昨年の日本インカレ9位の悔しさを忘れず決勝に進出しましたが、経験不足が露呈しオーバーゾーンで失格。副将の廣木亮太(理4、浦和)は100m準決勝で10”37と好記録でしたが9位だった事。
田島公太郎(環境3、九州学院)、安田陸人(商2、開成)、岩井章太郎(環2、同志社)らが今季は好調にも関わらず、怪我で欠場だった事。
上記の通り、今大会で活躍した選手の陰で、本戦で戦う事の難しさ、スタートラインに立つ事の難しさを各人が痛感し、今後の試合に活かされるとご期待下さい。

今回の関東インカレを通じ感じたのは、1部残留という言葉は彼らには必要なく、次のステージを見据えた、即ちチームとして男女総合8位入賞を目指す事で、選手の意識も変化し、特に4年生が実力通りの働きをしたという点です。例年4年生が1部残留という亡霊に苦しむ事が多く怪我で実力を発揮出来ない事が多かったですが、今年は選手の目線が上がり、2部を意識する事なく、存分に実力を発揮した事が例年にないメダル数に繋がった事と思います。

我々が目指す「強くて良いチーム」は、徐々に出来上がっております。選手を送り出すサポートから応援まで連日、雨や寒さの中で大声援を送り選手を鼓舞する姿はチームの一体感を感じさせるものでした。
目標であった関東インカレは終了致しましたが、全部員が次の目標である早慶戦、日本インカレ、同志社戦、箱根駅伝予選会に向け、もう一度精進して参りますので、引き続きご声援の程、宜しくお願い申し上げます。
又、インカレに合わせて金一封を頂いたS62卒の皆様、現役の齊藤凛太郎君のお父様、そして悪天候にも関わらず連日応援にお越し頂いた皆様に改めて御礼申し上げます。

監督
鹿又 理