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監督便り Vol.23 2024 July

今年も暑い夏となりそうですが、競走部にとっても熱い夏になりそうです。

6月の日本学生個人選手権では、走高跳で須崎遥也(商2、丸亀)が2m16cmの塾新記録で第4位、男子200mで林明良(法2、攻玉社)が準決勝で20”88の塾歴代4位の好記録を出し、9月の日本インカレでの活躍が楽しみになって参りました。
6月の混成の日本選手権でU20の十種競技に出場した高橋諒(商1、桐朋)が関東インカレ初出場初優勝の勢いのまま、PB5種目(含 U20規格)を更新し、7445点のU20日本歴代2位の好記録で優勝、8月のU20世界選手権(ペルー)代表の可能性が高まって参りました。近々代表発表の予定です。

6月末の日本選手権で主将の豊田兼(環4、桐朋)が、400mHを大会新で初優勝しパリオリンピックの日本代表となりました。現役学生での出場は2012年ロンドンオリンピック代表の山縣亮太(2015卒)以来となります。
又、樺沢和佳奈(2021卒)が女子5000mで初のオリンピック代表切符を滑り込みで獲得しました。女子選手のオリンピック出場は競走部初の快挙となります。
日本選手権には他に男子100m 三輪颯太(環4、西武文理)、小池祐貴(2018卒)、永田駿斗(2019卒)、女子100m 竹内爽香(2018卒)、女子槍投げ 倉田紗優加(総2、伊那北)ら、競走部の現役、OBOGが数多く出場しました。

オリンピック代表最終選考会である今年はレベルも高く、ALL慶應としても結果を出す事の厳しさを各人が味わった大会でした。男子100mでは東京五輪から連続出場者はおらず、今回は残念ながら欠場した山縣亮太の100m五輪3大会連続出場が如何に偉業であったかを改めて感じました。

そんな中、パリパラリンピックに高桑早生(2015卒)が女子走幅跳(T64)代表に決まり、パラリンピック4大会出場の偉業を成し遂げました。彼女の応援で5月に神戸で開催された世界パラを観戦しましたが、観客だけでなく選手もお互いを応援する姿を観て、改めてスポーツの在り方を考えさせられた試合でした。是非、パラリンピックもご注目下さい。

7月6日(土)の第100回早慶戦が日吉で開催され、結果は男子は21対36、女子は10対28と100回記念大会を勝利で飾る事は出来ませんでした。然し乍、希望の光も出てきており、男子400mに出場し47“48で2位の横井建道(法3、城北)、47”92で4位の久保亮太(法2、志木)は、共に入学時は50秒台の選手であり、昨冬のマイルプロジェクトでしっかりと練習を積んだ結果が出て参りました。又、女子800で圧勝した仲子綾乃(環4、浜松西)は、日本インカレでの活躍を期待したいと思います。
早慶戦後の懇親会は日吉の学生食堂で開催され、現役学生約300名(慶應150名、早稲田150名)、OBOG約200名(慶應100名、早稲田100名)と大規模な懇親会となりました。
競走部創部100周年記念でOBOGにご出席頂いた会とは趣も異なるものでしたが、早慶OBOGであって良かったと思える会であり、沢山の懐かしい方にもお会いする事が出来、良い懇親会となりました。

学生達はこれから鍛錬期に入り、夏合宿等の厳しい練習に入ります。ここでしっかりと練習を詰めた者だけが9月の日本インカレ(9月19−22日@等々力)、10月19日の箱根駅伝予選会を笑顔で終われます。その満面の笑みの為に、これからの2ヶ月をチーム全員で乗り越えて参ります。
長距離のクラウドファンディングや各ブロックの夏合宿の欲しい物リスト等、お願いばかりで大変申し訳御座いませんが、上記の通り多くの選手が活躍出来る環境作りの為、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

【長距離クラウドファンディング 第3章 みなさまと、ともに箱根へ|慶應箱根駅伝プロジェクト

競走部監督
鹿又 理

監督便り Vol.22 2024 May

学生は春のシーズン真っ盛りですが、OBOGの皆様は如何お過ごしでしょうか。現役の活躍のニュースもあり日吉や国立に足を運ばれた先輩方も多いかと思います。

5月最初の朗報は、バハマで開催されました世界リレーの4x100mRに出場した三輪颯太(環4、西武文理)が予選、決勝とアンカーを好走、パリ五輪4x100mRの日本の出場権獲得に貢献しました。本人としては初の日本代表に選出され、サニブラウン選手らと一緒にリレーを組めた事は今後の競技人生に大きな影響を与えてくれる経験となりました。

5月はチームとして春の一番大事な試合、関東インカレの月です。
試合前の戦力分析では男子16点-13位と女子16点-13位と昨年から目標に掲げた男子40点、女子20点には遠く及ばず、他大学との差は明治13位-16点、大東文化15位-13点、流通経済16位-12点と下3校とは数点差と予断を許さない気持ちで臨みました。
初日の400m、110mH、十種競技の活躍でチームの雰囲気も良くなり、2日目で400mで豊田兼(環4、桐朋)、十種競技で髙橋諒(商1、桐朋)が優勝、110mHで岩井章太郎(環4、同志社)が5位と2日目終了時に20点を獲得。400mは準決勝で45“57と今季日本最高、廣瀬英行さんの塾記録を更新しこの種目13年振りに優勝。十種競技では今田忍さん以来、58年振りに塾新で優勝。岩井は去年の4月に骨折してから1年間殆ど走れず苦しい時を過ごしましたが、春先からPBを更新しランキング10位であり乍、結果として4年生で初めて決勝進出、5位入賞を果たしました。
3日目の走幅跳は4年間期待されながらも、結果が出ず苦しんだイベルブランドン(総4、洛南)が4年生で初めての決勝進出、10位以下のランキングにも関わらず5位入賞と奮闘しました。
4日目のハーフマラソンはOBOGや父兄の方々のご協力で慶應義塾の幟を持った応援が朝から始まり、2004年の亀田健一さん以来20年振りに田島公太郎(環4、九州学院)が8位入賞しました。
女子部員でこの冬一番厳しく練習をしてきた副将の仲子綾乃(総4、浜松西)が最後の年に去年の4位から一つ順位を上げ、銅メダルを獲得。女子槍投げは春先に利き腕の薬指を骨折した倉田紗優加(環2、伊那北)が怪我明け初戦の第一投で自身の塾記録を更新し57m27で2位以下に1m85の差を付けこの種目慶應としての関東インカレ初優勝を飾りました。
200mでは前述の三輪颯太がバハマ帰りの疲れもあり乍ら、最後の関東インカレに出場、5位入賞、そして初出場の林明良(法2、攻玉社)が予選からPBを更新し先輩の三輪を後半捉え4位入賞しました。200mの複数入賞は1966年の長谷川一三さん(2位)、岡松武司さん(4位)以来、58年振りとなり大いに盛り上がりました。

結果的に優勝3種目で、男子34点-12位、女子14点-15位という結果でした。
監督としてこの4日間で感じたのは金メダルを獲得した3名は勿論のこと、4年生の活躍が目立った大会でした。過去は点数を獲得する選手が少なく、4年生の限られた選手に頼ることになり、その選手一人の肩に重圧が掛かり怪我を誘発し思い通りの結果が出ない事が多かったように思います。然し乍、ここ数年を見ると1人の選手に頼ることなく4年生が引っ張り自分の仕事をしっかりする姿勢が練習にも見受けられます。1人が1種目で獲れる点数は8点が上限であり、それだけでは昨今1部残留は出来ません。それを各人が理解し自分も点数を獲るが、お前も頼むぞと言った姿勢が窺えます。引き続き「強くて良いチーム」を目指す上で欠かせない、自分の出来る範囲は最大化するものの、出来ない範囲は仲間を信用し任せるという姿勢が今後更に浸透していくであろうと思える関東インカレでした。

然し乍ら、4日間戦った後の全体集合では豊田主将、吉川昂希主務(総4、湘南学園)からは目標であった男子40点、女子20点に届かなかった事が第一声に出るなど、現状に満足する事なく、上を目指す姿は頼もしく思いました。107代の気持ちの強さ、そして108代へ託す想いを感じた集合後の挨拶を聞き、107代の残り半年の活躍が更に楽しみになりました。

今回の関東インカレの活躍で特筆する選手は多くありましたが、今後の期待としてOBOGの皆さんが感じられるのは、1年生乍、十種競技で優勝した髙橋諒では無いでしょうか。八種競技の高校記録保持者として競走部に入部、新たに棒高跳、円盤投の二種目を加え、関東インカレでは砲丸投、走高跳、円盤投、棒高跳、槍投げの5種目でPBを更新し、7235点とU20日本最高記録、U20世界選手権標準突破、今夏ペルー(リマ)で開催されるU20世界選手権出場を目指し日々練習に励んでおります。髙橋効果からか、新一年生に八種競技をしていた者が髙橋入れて4名入部し、先輩の山田直弥(商3、清水南)、鎌形圭佑(経3、慶應)と合わせて6名の混成ブロックが誕生する勢いです。ここで問題なのが、練習器具の不足となります。特に棒高跳のポールと槍投げの槍が不足しており、OBOGの皆さんのご協力をお願いしたいと思います。2年前に一人のOBのご寄付により当時主将の伊藤達也(帝京大学、2024卒)に槍を購入した際、後日、事前に知っていれば投擲の先輩として寄付したかった等のお叱りのコメントを頂きました。今回はそうしたお話しを受けこのような形で事前にご連絡させて頂いております。混成の髙橋諒とそのブロックを中心とした跳躍、投擲選手の活躍の為、ポールと槍のご寄付をOBOGの皆さまにお願い出来ればと思いますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます。詳細は追ってご連絡申し上げます。

19日にはセイコーゴールデングランプリの400mHに出場した豊田兼が自身の持つ塾記録を0.11更新し、今季日本最高、日本歴代5位の48”36で優勝しました。既にパリオリンピックの標準記録を突破しており、6月末の日本選手権で優勝すれば自動的にオリンピック出場が確定する為、大いに期待したいところです。

シーズンは始まったばかりですが、多くの種目で好結果も出始めました。怪我や不調で記録が出なかった者がいるのも事実です。「強くて良いチーム」を目指し、部員全員が好記録を出せる環境を現役のサポートスタッフやOBOGの皆様と一緒に整えて参りますので、107代のシーズンを見守って頂ければ幸甚です。
どうぞご期待下さい。

競走部監督
鹿又 理

ご寄付の振込先については、こちらをご覧ください。

監督便り Vol.21 2024 April

新年度が始まりましたが、皆様如何お過ごしでしょうか。
塾競走部はこれから始まる学生生活に期待と不安を胸に秘めた新入部員約40名と共にシーズンが始まりました。思えば自分も30年以上前、同様に学業と陸上とどこまで出来るのか期待と不安があったことを思い出します。本人の努力が一番なのは当然ですが、努力出来る環境作りを監督として整備しようと改めて感じております。

本年度公式戦初戦は4月6日(土)、青いトラックの新生日吉グランドのオープニングゲームとして六大学対校戦が開催されました。戦前の戦力分析は男子 法政171点、早稲田142点、慶應127点、明治62点。女子 早稲田26点、法政14点、慶應13点、立教7点と夫々3位であり、これに対し今年の目標は男女共準優勝というものでした。
結果は慶應の優勝種目が男子100m(三輪颯太、環4、西部文理)、200m(林明良、政2、攻玉社)、400m H(豊田兼、環4、桐朋)、3000mSC(安田陸人、商3、開成)、走幅跳(イベルブランドン、総4、洛南)、三段跳(イベルブランドン)、走高跳(若原祐人、経3、慶應)、女子800m(仲子綾乃、環4、浜松西)と、戦力分析以上の結果を出し、総合得点で上位2校に迫る早稲田(12年振り優勝)160点、法政156点、慶應147点。女子は早稲田27点、法政15点、慶應14点となりました。昨今の六大学対校戦でここまで僅差の3位はなく、8種目で優勝とシーズン初戦で勝ち切るのは記録以上に価値があるものです。加えて、本大会で競走部歴代男子10傑、女子5傑を以下の通り更新し、記録的にも今季の活躍が更に楽しみとなって参りました。

男子200m 歴代9位 21“18 林明良(政2、攻玉社)
男子110mH 歴代2位 13“97 岩井章太郎(環4、同志社)
男子3000mSC 塾新 8‘47“04 安田陸人(商3、開成)
女子三段跳 歴代4位 11m12 関口さら(環2、法政二)

慶應としては良い方向に進んでおりますが、早稲田、法政に比べ層の薄さは否めず、優勝だけでなく2番手の選手の活躍も大事であると痛感した試合でした。本年度の新入生は系列校、指定校、一般受験、AO受験と多様な入部でしたが、近年OBOGの皆様と続けている勧誘の成果が徐々に現れており、地区大会等で声掛けした高校生が受験し入部しているケースが増えております。今後も全国のOBOGの皆様にご協力頂き乍、魅力ある高校生に塾競走部を目指して貰いたいと思います。勿論、監督として私も全国を周りますので、どこかでお目に掛かり現役の活躍のお話しをさせて下さい。
昨年の六大学対校戦は国立競技場での開催となり、やはり聖地国立は特別のものがありました。然し乍、今年の日吉開催は新生日吉グランドに多くの各校OBOGの方が応援に駆け付け、更に各校応援指導部の大声援もありいつになく盛り上がり六大学が一体となった素晴らしい大会となりました。勿論、現役の活躍もさること乍、こうしたOBOGの皆様と一緒に応援し、一体感を持てる機会を持てた素晴らしい大会でした。

先週末の出雲陸上(YOSHIOKAスプリント)にて、三輪颯太が予選で10“24のPB(塾歴代2位)、決勝で10“34の4位となり、本年5月4、5日にバハマで開催される世界リレー2024大会に自身初の日本代表として4x100mRに選出されました。本人も本大会に出場するのを今春の目標として積極的に春先から海外での試合に参戦し、目標としていた代表に選出されましたので、おおいに期待したいと思います。世界リレー大会は、2019年横浜大会に山縣亮太(2015卒、修道)、小池祐貴(2018年、立命館慶祥)が4x100mRに、永田駿斗(2019卒、諫早)が4x200mRに出場して以来の塾競走部の選出となります。

世界リレー2024大会

先週末には東京選手権、横浜市民とOBOGの皆様には懐かしい大会が開催され、東京選手権の十種競技で期待の大型新人の髙橋諒(商1、桐朋)が6938点の塾記録で4位、横浜市民で六大学優勝の林明良が21“10の塾歴代7位で優勝と、関東インカレが楽しみになって参りました。関東インカレの標準記録の〆切は4月21日、この日まで現役はベストを尽くしインカレの舞台に立つべく最後の数日を過ごしておりますので、どうぞご期待下さい。

そして春の一番大事な試合である関東インカレは5月9日〜12日、国立競技場で開催されますので是非、皆様に足を運んで頂き、大声援をお願いするのと同時に、当時のご自分を思い出して頂くきっかけにして頂ければ幸甚です。

シーズンも始まりました。引き続きご支援、ご声援の程、宜しくお願い申し上げます。

競走部監督
鹿又 理

監督便り Vol.20 2024 March

不安定な気候が続く季節ですが、皆様如何お過ごしでしょうか。
これまで鹿又監督より配信しておりました監督便りですが、本年からは不定期で助監督からも配信をさせて頂くことになりました。
今回は坂本祐輝(2014年環境情報学部卒)よりお届けいたします。

昨年10月より改修に入っておりました日吉競技場も無事工事が完了し、去る3月23日のお披露目会が開催され、現役部員と共に多くのOBOGの方々がブルーのタータンと真新しい人工芝のフィールドを踏みしめました。
学生たちはこの半年間、様々な競技場で各ブロック毎に練習を重ねると共に1-1.5時間程度の全体MTGを月に複数回行い、今年のスローガンである「すゝめ」に対する各人の想いのシェアやブロックの課題に関する議論を重ねることで、チームとしての意思統一を試みてきました。
この改修期間は、如何に恵まれた環境で競走部生活を送れていたかということを身に染みて感じると共に、創意工夫をしながら結束を高めるべく過ごした大切な時間だったと思います。
4月からは新たな年度がスタートし多くの新入生が日吉キャンパスに訪れます。
私もその一人でしたが、一人でも多くの方が日吉競技場に魅了され、競走部に入部してくれることを願っています。

新たな出会いに思いを馳せる一方で、この季節につきものなのは友情を深めてきた4年生の卒業です。
先日3月23日に競走部納会が藤原記念館で行われました。
今年の4年生はコロナ禍真っ只中に入学し激動の中で競走部生活を送ってきた世代です。
様々な制約があり自由を奪われてしまったことも多くあったと思っていたのですが、伊藤達也前主将(商4、帝京大学)の挨拶では「全体集合がなかったからこそ、一人一人が部に対して何をすべきかということに向き合う時間が取れた。4年間の競走部生活において良いチームになるためにはどうすべきかを追求できることは学生の特権でありとても大切な時間だった」というコメントをしておりました。
伊藤前主将の人柄が溢れる素晴らしいコメントだと思ったと共に、競走部に集う部員たちの逞しさを感じました。
これからは我々と同じ立場のOBOGとして、競走部を外から温かく盛り上げてくれることを楽しみにしています。

さて、いよいよ第100回早慶戦やパリオリンピックなどビッグイベントが控える陸上シーズンの到来です。
競走部員達も3月中旬に国立競技場で行われた春季オープンを皮切りに、多くの選手がシーズンインをいたしました。
ご案内の方も多くいらっしゃると思いますが、競走部には以下2つのX(旧Twitter)アカウントがございます。

①「慶應義塾体育会競走部(@keio_tf)」
→ 公式戦・準公式戦の速報・HP更新を発信
② 「慶應義塾体育会競走部記録会速報」(@o_da_ndy)
→記録会に関する速報を中心に発信

先日皆様に頂いたアンケートの回答をもとに、サポートスタッフ陣がより伝わりやすい発信に向けて創意工夫をしておりますので、是非一人でも多くの方にフォロー頂けますと幸いです。

4月6日(土)には六大学対抗陸上競技大会が日吉競技場で開催されます。
是非現地にいらして頂けますと幸いです。
引き続きご声援の程よろしくお願いいたします。

競走部助監督
坂本 祐輝

監督便り Vol.19 2024 January

新しい年となり新たな気持ちで2024年を迎えております。
国内は波乱の年明けとなりましたが皆様におかれましては健やかにお過ごしでしょうか。
競走部1917マガジンという素晴らしい企画が現役から出るようになり、本年は学生達の活躍を現役と監督の視点から夫々お届けして参りますので、どうぞ宜しくお願いします。
新年の恒例行事である箱根駅伝は今年100回大会を開催され、塾競走部は出場が叶いませんでしたが、改めてこの場に慶應義塾のKマークを着た選手をOBOGや関係者の皆様にその勇姿をお見せしたいと思いました。晦日に箱根駅伝プロジェクトを発足時から支えて頂いている慶應義塾大学名誉教授の村井純先生とSFCランニングラボの蟹江憲史君(競走部OB、1994卒)、中澤仁 競走部部長、保科コーチ、細萱助監督、鹿又と過去7年を振り返り保科コーチ就任前と後を再確認し、やはり次の5年も保科コーチの下、必ずや箱根路にKマークを走らせる事を誓いました。
学生たちは1月6日(土)よりブロック毎の集合が開始されましたが、日吉は比較的暖かい日が続いており、日吉グランドの改修工事の中、学生達は日吉の並木坂での走り込みを中心に、駒場東大グランドや大和、等々力ら近くのグランドで練習に励んでおります。
今年はオリンピックイヤーであり、400mHでパリ五輪標準記録を突破している主将の豊田兼(環3、桐朋)を中心に更に走り込みを続けており来季の活躍が楽しみであります。
高野短距離コーチの下、OBの山縣亮太君(総、2015卒、修道)も学生と一緒に練習をしてくれており、昨年11月に100m塾歴代2位の10“26を出した三輪颯太(環3、西武分離)も先輩の塾記録10“07の更新、そして今年5月上旬にバハマで開催される世界リレーの代表も視野に入れ大先輩と共に練習に励んでおります。世界リレーの代表選考が4月となる事から、春先の海外や沖縄での試合出場を検討しており、この遠征費をOBOGの皆様から寄付を頂いておりますオリンピアン基金の一部を使わせて頂きますので、引き続きご支援の程、宜しくお願い申し上げます。
跳躍ブロックも佐藤跳躍コーチの下、入部当初から常に期待されてきたブロック長のイベル・ブランドン(総3、洛南)も最後の年、皆の期待に応えるべく練習に励んでおります。4月に大型新人数名が入部してくる中、ブロックが更に上のレベルに向かう為にもブロック長自らの活躍に期待したいところです。
1月10日に107代目の今季の方針が豊田兼主将より部員に発表されました。
4月上旬に開催予定の東京六大学対抗戦は男女共に準優勝。これは常に法政、早稲田の次の3位の定位置を打開し、今季を占う大会と位置付けております。そして部の一番の目標は関東インカレであり、そこで男子40点、女子20点を掲げました。今回は敢えて順位の目標を出さず、必ず得点を獲得すると言うのが107代目の特色です。掲げたからには必達を目指し、しっかりとした基盤を作り次の代に引き継ぐという将来を見越した目標です。107代目は個の強さが目立ちますが、豊田主将を支える吉川昂希主務(総合3年、湘南学園)、三輪颯太副将、仲子綾乃副将(環3、浜松西)、そして各幹部が短距離、中距離、長距離、跳躍、投擲、サポートと夫々の部員の意識を高めており、チームとしての纏まりを冬季練習の間に熟成させております。
来月、2月19−23日の間、鹿児島にて全体合宿を行いますが、コロナで修学旅行や合宿を経験した事がない世代の彼らがチームビルディングと個の練習のバランスを考えながら進める姿は頼もしさを感じます。鹿児島は少々遠いですが、もしお時間があれば是非、足をお運びになり激励して頂ければと思います。
107代目は更に競走部が飛躍する予感を感じさせるチームです。2024年の競走部を引き続きご支援、ご声援の程、宜しくお願い申し上げます。

競走部監督
鹿又 理

ご寄付の振込先については、こちらをご覧ください。

監督便り Vol.18 2023 December

今年も残すところ約一週間となりましたが、皆様如何お過ごしでしょうか。
学生たちは日吉グランドの改修工事によってグランドが使えない事から、東大駒場グランドや大和の陸上競技場等で練習に励んでおります。

12月7日の塾長招待会に日本選手権リレーの4x100mR優勝メンバーの豊田兼(環3、桐朋)、三輪颯太(環3、西部文理)、篠宮健吾(政3、慶應)と学生個人選手権3位の仲子綾乃(総3、浜松西)がご招待頂きました。昨年は5年振り早慶戦勝利によって大人数で出席したものの今回は少人数となりましたが、この栄誉ある塾長招待会に来年は男女早慶戦勝利は当然として、複数種目で好成績を残し出席したいと思います。

12月19日には競走部1917マガジンという学生発信の競走部の現状をお伝えするものを刊行致しました。OBOGの皆様には昔の「現役便り」を彷彿させるものと思います。監督便りと1917マガジンと夫々違う視点から競走部の「現役の今」を皆様にお伝えし、皆様のお気持ちが一歩、日吉グランドを向いて頂ければと思います。監督便りも同様に、助監督からの便りも来年は組み入れる予定で、多くの視点での「現役の今」をお伝えしたいと思います。

長距離ブロックのシーズンは続いており来年の箱根予選会の実力を図る上で重要な試合と位置付ける、全日本大学駅伝関東選考会出場に向け年末まで各競技会に出場しております。
この全日本大学駅伝関東選考会には上位20校が出場し、競走部は21年振りに出場した2021年以来の出場を目指します。来年6月迄に上位8名の1万mの平均タイムを20位以内にする事が条件となる中、我々は現在21位で記録は29分26秒2。競合相手として、18位 流通経済大学(29分21秒1)、19位 専修大学(29分21秒7)、20位 神奈川大学(29分22秒2)、22位 拓殖大学(29分29秒0)と約8秒の間に4校が犇めき、長距離ブロックの活躍にご期待下さい。
そんな中、12月2日の日体大記録会で、東叶夢(環2、出水中央)が1万mで29’34”65のPB(関東インカレB標準)で部内五番目となり平均を上げて来ました。

年末には箱根駅伝プロジェクトを発足時から常に支えて頂いております慶應義塾大学名誉教授の村井純先生と、慶應義塾大学教授でSFC ランニングデザインラボの蟹江憲史君(競走部OB、1994卒)、中澤仁 競走部部長、保科コーチ、細萱助監督と過去7年を振り返ると共に次の5年をどう捉え確実に箱根駅伝出場が出来る体制作りの作戦会議をして参ります。
来年の1月の箱根駅伝は学連選抜もなく競走部としては寂しい正月となりますが、何としも「来年こそは」は今年が最後になるように、チームが一丸となり精進して参りますので、引き続きご声援の程、宜しくお願いします。

この一年を振り返りますと沢山の事がありましたが、月毎に簡単に纏めてみました。

1月 箱根駅伝に貝川裕亮(環4、美濃加茂)が学連選抜で10区に出走。
2月 投擲ブロック早慶合同練習開始。
3月 105代目(藤木主将、田村主務)納会。
4月 六大学対校戦が10年振りに国立競技場で開催、男女共3位。
5月 関東インカレ男子12位、女子14位。(男女計6個のメダル獲得)
6月 地区大会でOBOGと連携し高校生の勧誘活動を実施。
7月 クラウドファンディングにて1001万円ものご寄付を頂く。
8月 ユニバーシティゲームスで豊田兼が110mH優勝。早慶戦は男女共敗戦。
9月 日本インカレ男子総合14位。女子無得点。
10月 日本選手権リレー4x100mR優勝。同志社戦男女共勝利。箱根駅伝予選会22位。
11月 107代目(豊田主将、吉川主務)本格的にスタート。
12月 全日本大学駅伝予選会21位。(現時点)

競技成績は各ブロックで多くの自己記録が出た一年でしたが、来年は更に好結果が大事な試合で出せる様、チーム一丸となって参ります。

この一年クラウドファディングのご寄付の他にもOBOGの皆さまや、競走部内外の方々の多くの御援助を頂く事で結果を積み上げる事が出来ました。改めて御礼申し上げます。
有難う御座いました。
コーチ、トレーナーが充実してきたことにより、効率的な練習が出来るのと同時に、怪我人を減らせた事が結果に結び付きつつあります。又、全国に勧誘に行く事で有望な高校生が入学してきております。部員だけでなくスタッフや関係者一同が、多くのサポートの上に成り立っている事を決して忘れず、「強くて良いチーム」を目指し日々精進して参りますので、来年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

Merry Christmas and Happy New Year.

競走部監督
鹿又 理

監督便り Vol.17 2023 November

一気に寒さが増して参りました。学生たちはトラックシーズンを早々に終わらせ冬季練習に向け準備を始めました。
10月末のALL慶應より世代交代を行い、豊田兼(環3、桐朋)主将率いる 107代目の新チームがスタートしました。チームのスローガンは「すゝめ -We Over Me-」。

彼ららしい想いの詰まったスローガンとなりました。これは「学問のすゝめ」から引用し、競走部や競技人生において自らの駒を泥臭く前に進めて行くという思いを込めています。加えてサブスローガンの 「We Over Me」は、チームは個人に勝るという思想の下、競走部が大事にする対校戦は個人競技の陸上がチームスポーツになる瞬間であり、この想いを持って日々練習に励み試合に臨んで参ります。

日吉グランドは先月10月中旬から来年3月下旬迄、15年振りに改修工事を行います。その間、学生達は練習場所を探し他大学や公共グランドでブロック集合となります。チームを熟成させる大事な冬季練習の間、全体集合が出来ない不自由さを、他大学への出稽古の良い機会と前向きに捉えられるかどうかに掛かっております。

冬季を3年生以下の新チームが切磋琢磨した後、これを更に活性させるのが、来年4月に入学する新一年生です。11月は指定校推薦、AO受験の合否も発表され、残念な結果もあったものの、将来有望な高校生の合格の吉報も御座いました。これは全国に在住の諸先輩方のサポートと現役学生の連携により、多くの有望な高校生が慶應義塾を目指した結果です。競走部の強化に勧誘が重要なのは御既承の通りです。皆さまの後輩や地元の進学校から一人でも多くの有望な高校生が入学出来る様、現役、OBOGが一体となる共同体制を充実させて参りますので、ご自分の母校、ご出身の都道府県と少しでもご協力頂ける様、宜しくお願い申し上げます。
監督、助監督も日本全国の高校、試合に参ります。そこで皆さまにお目に掛かり現役の現状をお話しする機会も持てればと思いますので、その節はどうぞ宜しくお願いします。

107代目は個々が強い代と言われてきました。然し乍、この冬季の出稽古の間、個々が刺激し合いチームとして強くなる為に成長して参ります。OBOG、関係者の皆さんには1年間の彼らの成長を見守って頂き、ご支援ご声援の程、宜しくお願いします。

この新チームがどう活躍していくか今から楽しみです。引き続き宜しくお願いします。

競走部監督
鹿又 理